A New Picture over the Fireplace

(一階ロビー暖炉コーナー)


解説:
17世紀オランダの天才画家フェルメールの肖像画をモチーフにしたベストセラー小説を映画化。妻子のいる天才画家と、彼と運命で結ばれた少女のもどかしくもプラトニックでありながらも官能的な愛の物語が展開する。名画「真珠の耳飾りの少女」のモデルとして描かれる主人公グリートを演じるのは『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソン。共演には『ラブ・アクチュアリー』のコリン・ファースらが名を連ねている。17世紀オランダを再現した美術や衣装も必見。

ストーリー: 1665年オランダ。失明した父の代わりに家計を支えるため、画家フェルメール(コリン・ファース)の家で使用人として働くことになった17歳の少女グリート(スカーレット・ヨハンソン)。やがて、その美的センスをフェルメールに認められた彼女は、彼の手伝いをし始める。
Girl With a Pearl Earring
真珠の耳飾りの少女
青いターバンの少女
フェルメール作「真珠の耳飾りの少女」
の鑑賞ができるマウリッツハイス美術館
(
オランダ)
http://www.gaga.ne.jp/pearl/top.html
色彩と心のバランス表現が最高

nokoanoko
この映画で感じたのは、静寂の中での心の葛藤が、画面全体の色彩とマッチして、とてもきれいで崇高な作品に仕上がっているということです。真珠の耳飾りの少女が頭に巻いている青いターバンは、実は様々な色が交じり合っている青です。この映画の全体に流れる色もまた、様々な青で構成されています。中世ヨーロッパの石畳や、町の風景や水路の色も深みのある青色で構成されています。唇の赤とターバンの青が現実をあらわしているのに対して、真珠は主人公フェメールとグリートをつないでいる心の象徴のように感じられました。電気がない時代には、ろうそくの光や窓から射し込む光による色の見え方は、今とは全然違うものだったことが感じられました。一枚の絵に秘められた物語を1つの映画にした以上に、言葉に表さないで心を表現するというこの映画の手法に感動を覚えました。