色彩と心のバランス表現が最高
nokoanoko この映画で感じたのは、静寂の中での心の葛藤が、画面全体の色彩とマッチして、とてもきれいで崇高な作品に仕上がっているということです。真珠の耳飾りの少女が頭に巻いている青いターバンは、実は様々な色が交じり合っている青です。この映画の全体に流れる色もまた、様々な青で構成されています。中世ヨーロッパの石畳や、町の風景や水路の色も深みのある青色で構成されています。唇の赤とターバンの青が現実をあらわしているのに対して、真珠は主人公フェメールとグリートをつないでいる心の象徴のように感じられました。電気がない時代には、ろうそくの光や窓から射し込む光による色の見え方は、今とは全然違うものだったことが感じられました。一枚の絵に秘められた物語を1つの映画にした以上に、言葉に表さないで心を表現するというこの映画の手法に感動を覚えました。